院外心停止での気道管理、ラリンジアルチューブは気管チューブよりも良い:PART試験
Effect of a Strategy of Initial Laryngeal Tube Insertion vs Endotracheal Intubation on 72-Hour Survival in Adults With Out-of-Hospital Cardiac Arrest: A Randomized Clinical Trial
背景
院外心停止(OHCA)患者における病院前介入についての大規模RCTの結果が次々と公表されている。University of Texas Health Science Center at HoustonのWangらは、Resuscitation Outcomes Consortiumの27救急医療サービスにおいて、OHCA患者への高度気道管理戦略としてラリンジアルチューブ(LT)と気管挿管チューブ(ETI)を比較するクラスターランダム化・クロスオーバー比較試験を実施した(n=3,004)。
結論
初回挿管成功率はLT群90.3%・ETI群51.6%であった。72時間生存率はLT群18.3%・ETI群15.4%と、LT群で優れた。自己心拍再開率はそれぞれ27.9%・24.3%、院内生存率10.8%・8.1%、神経学的良好退院率7.1%・5.0%といずれもLT群で優れた。口腔咽頭の損傷、気道浮腫、肺炎に群間差はなかった。
評価
ラリンジアルチューブは初回成功率が高く、主要なアウトカムについて気管挿管を上回った。心停止患者の病院前気道管理戦略で特定のデバイスが優れることを実証した初のRCTとみられる。一方で併載論文の、ラリンジアルマスクと挿管を比較したイギリスAIRWAYS-2試験では、生存率に有意差は見られなかった(http://doi.org/10.1001/jama.2018.11597)。