外傷性脳損傷での高精度マーカーGFAP・UCH-L1:ALERT-TBI研究
Serum GFAP and UCH-L1 for prediction of absence of intracranial injuries on head CT (ALERT-TBI): a multicentre observational study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet Neurology
年月
September 2018
17
開始ページ
782

背景

グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)とユビキチンC末端水解酵素I型(UCH-L1)はともに神経細胞の障害マーカーとして有望視されている。University of RochesterのBazarianらは、非穿通性外傷性脳損傷(TBI)でGCSが9〜15の救急成人患者において血清GFAP・UCH-L1値を測定し、事前指定カットオフ値の頭蓋内損傷検出能を評価した(n=1,977)。

結論

CTにより6%で頭蓋内損傷が検出され、8名は神経外科的に管理可能な損傷であった。全体の66%の患者がUCH-L1・GFAP検査において陽性であり、感度は0.976、陰性適中率は0.996であった。CT陽性でありながらUCH-L1・GFAP結果が陰性であった患者は3名のみであった。

評価

患者の1/3で安全にCTが回避可能なことを示し、この結果に基づきFDAの迅速承認を受けている。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)