救急での制吐にはオンダンセトロンよりイソプロパノール?
Aromatherapy Versus Oral Ondansetron for Antiemetic Therapy Among Adult Emergency Department Patients: A Randomized Controlled Trial
背景
救急での制吐剤については、オンダンセトロンやメトクロプラミドが効果を示すことに失敗している。San Antonio Uniformed Services Health Education ConsortiumのAprilらは、悪心・嘔吐を主訴として救急を受診した、直ちに静脈アクセスを要しない成人患者に、イソプロピルアルコール吸入/経口オンダンセトロン、イソプロピルアルコール吸入/経口プラセボ、生食プラセボ吸入/経口オンダンセトロンの3介入を割り付けるランダム化試験を実施した(n=122)。
結論
悪心VASのスコア低下は、イソプロピルアルコール/オンダンセトロン群30mm・イソプロピルアルコール/プラセボ群32mm・プラセボ/オンダンセトロン群9mmであった。レスキュー制吐剤を要した患者の割合は、それぞれ27.5%・25.0%・45.0%であった。
評価
同施設からのプラセボ比較試験に続き(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2015.09.031)、オンダンセトロンとの比較でも有効性を示した。単施設の小規模RCTであり、作用機序についても未詳であるが、簡易かつ安全な介入であり有望なオプションとなるかもしれない。