救急医の超長時間シフトは認知パフォーマンスを低下させる
Influence of Shift Duration on Cognitive Performance of Emergency Physicians: A Prospective Cross-Sectional Study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
August 2018
72
開始ページ
171

背景

疲労が医療ミスの重要な原因であることは広く認識されている。フランスAix-Marseille UniversiteのPersicoらは、救急スタッフドクター19名とレジデント21名において、14時間の夜間シフト後、24時間のシフト後、自宅で休息後の認知能力(処理速度・ワーキングメモリ容量・知覚推理・認知的柔軟性)を評価した。

結論

14時間の夜間シフト後と自宅で休息後では有意な認知能力の変化は見られなかった一方、24時間のシフト後には、処理速度(11.2 vs. 12.4)・ワーキングメモリ容量(10.1 vs. 11.6)・知覚推理(8.4 vs. 10.6)の低下が見られた。知覚推理を除きスタッフドクターとレジデントで認知能力に差は見られなかった。

評価

長時間の勤務は認知能力を低下させ、さらに被験者の多くは自らの能力低下を把握できなかった。睡眠衛生戦略による対応には限界があり、勤務態勢の改善に向けた広範な努力が必要とされる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)