血管拡張性ショックでのアンジオテンシンII、透析を要するAKI患者で有効か:ATHOS-3試験の事後解析
Outcomes in Patients with Vasodilatory Shock and Renal Replacement Therapy Treated with Intravenous Angiotensin II

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
June 2018
46
開始ページ
949

背景

ATHOS-3試験は、昇圧剤抵抗性の血管拡張性ショックICU患者に、アンジオテンシンIIまたはプラセボを割り付けるランダム化試験であり、臨床的意義のある血圧上昇をもたらしたが、全体の死亡率に有意差はなかった。University of TennesseeのTumlinらは、同試験の投薬開始時に急性腎障害により腎代替療法(RRT)を受けていた患者を対象とした事後解析を行った。

結論

アンジオテンシンII群は45名、プラセボ群では60名がRRTを受けていた。28日生存率はアンジオテンシンII群53%・プラセボ群30%であった。7日目までのRRT離脱はアンジオテンシンII群38%・プラセボ群15%であった。平均血圧応答はそれぞれ53%・22%で達成された。

評価

同試験の結果(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1704154)によりFDA承認を受けている。本研究は事後解析ではあるものの、重症AKIをともなう血管拡張性ショックでアンジオテンシンIIが有意に死亡率を低下させることを示し、さらなる検証を正当化する。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)