血管拡張性ショックでのアンジオテンシンII、透析を要するAKI患者で有効か:ATHOS-3試験の事後解析
Outcomes in Patients with Vasodilatory Shock and Renal Replacement Therapy Treated with Intravenous Angiotensin II
背景
ATHOS-3試験は、昇圧剤抵抗性の血管拡張性ショックICU患者に、アンジオテンシンIIまたはプラセボを割り付けるランダム化試験であり、臨床的意義のある血圧上昇をもたらしたが、全体の死亡率に有意差はなかった。University of TennesseeのTumlinらは、同試験の投薬開始時に急性腎障害により腎代替療法(RRT)を受けていた患者を対象とした事後解析を行った。
結論
アンジオテンシンII群は45名、プラセボ群では60名がRRTを受けていた。28日生存率はアンジオテンシンII群53%・プラセボ群30%であった。7日目までのRRT離脱はアンジオテンシンII群38%・プラセボ群15%であった。平均血圧応答はそれぞれ53%・22%で達成された。
評価
同試験の結果(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1704154)によりFDA承認を受けている。本研究は事後解析ではあるものの、重症AKIをともなう血管拡張性ショックでアンジオテンシンIIが有意に死亡率を低下させることを示し、さらなる検証を正当化する。