ICU人工呼吸患者での鎮静深度:Sedation Indexと死亡リスク
Sedation Intensity in the First 48 Hours of Mechanical Ventilation and 180-Day Mortality: A Multinational Prospective Longitudinal Cohort Study
背景
エビデンスはICUの人工呼吸患者では浅い鎮静深度でアウトカムが改善することを示唆しているが、鎮静深度の普遍的な定義はない。オーストラリアMonash UniversityのShehabiらは、24時間以上の人工呼吸管理を要するICU患者でRichmond Agitation Sedation Scaleと疼痛を4時間ごとに評価、Sedation Index(RASSマイナス値の総和/RASS評価回数)と生存率その他のアウトカムとの関連を決定した(n=703)。
結論
180日死亡率は32.3%、換気期間は中央値4.54日、せん妄発生率は38.8%であった。鎮静深度は、死亡リスク(ハザード比1.29)、せん妄リスク(1.25)、早期抜管率の低下(0.80)と用量依存的に関連した。興奮レベルは、その後のせん妄発症を予測した(1.25)。
評価
SPICE研究の二次解析である(http://doi.org/10.1164/rccm.201203-0522OC)。Sedation Indexという新指標を用い、鎮静の深さがアウトカム悪化と関連することを示した。深鎮静の必要がない患者ではRASS 0を目指して管理するのが合理的である。