出血性ショックリスクのある外傷患者で病院前血漿輸血が有効:PAMPer試験
Prehospital Plasma during Air Medical Transport in Trauma Patients at Risk for Hemorrhagic Shock
背景
外傷患者での早期の凝固障害などの予防を目的としたdamage control resuscitationの考え方が広く受け入れられているが、病院到着前での有効性は十分検討されていない。University of PittsburghのSperryらは、出血性ショックのリスクを有する航空搬送中の外傷患者で、通常蘇生とそれに対する解凍血漿輸血の追加を比較する第III相・多施設・クラスターランダム化試験PAMPerを実施した(n=501)。
結論
30日死亡率は、血漿輸血群23.2%・通常ケア群33.0%と血漿輸血群で有意に低下した。治療効果は9つの事前指定サブグループのすべてで観測された。プロトロンビン時間比の中央値は血漿群で低かった(1.2 vs. 1.3)。多臓器不全・急性肺障害などに群間差はなかった。
評価
外傷性出血による死亡は搬送後早期に起こるため、病院前セッティングでの介入が重要とみられていたが、病院前での血漿輸血のベネフィットを大規模RCTで確認した。多くの施設では解凍FFPを医療ヘリに配備しておくことは困難とみられ、Editorialはいくつかの代替案を提示している。