ICU患者での「倫理コンサルテーション」の意義
Outcomes of Ethics Consultations in Adult ICUs: A Systematic Review and Meta-Analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
May 2018
46
開始ページ
799

背景

臨床倫理コンサルテーションとは、倫理的に決定困難な臨床状況で、患者・家族・医療者を支援するための枠組みである。カナダUniversity of CalgaryのAuらは、系統的レビューによりICU成人患者における臨床倫理コンサルテーションのアウトカムを評価した。

結論

16件の研究が基準を満たした。ICUでの倫理コンサルテーションの利用は有用であるとみなされたが(435名中383名)、患者家族や医療者ではストレスフルであると評価するものも多かった(431名中113名)。倫理コンサルテーションにより、臨床意志決定における合意が増加し(オッズ比4.09)、ICU滞在日数は減少した(平均差4.65日)。

評価

倫理コンサルテーションの利用は、多くの場合ポジティブなものとして受けとめられたが、1/4はストレスも感じた。大規模施設を中心に導入が広がっているが研究はまだ少なく、そもそも何をもってその「有効性」を測るべきかという問題にも議論があるところである。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)