ICU患者での「倫理コンサルテーション」の意義
Outcomes of Ethics Consultations in Adult ICUs: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
臨床倫理コンサルテーションとは、倫理的に決定困難な臨床状況で、患者・家族・医療者を支援するための枠組みである。カナダUniversity of CalgaryのAuらは、系統的レビューによりICU成人患者における臨床倫理コンサルテーションのアウトカムを評価した。
結論
16件の研究が基準を満たした。ICUでの倫理コンサルテーションの利用は有用であるとみなされたが(435名中383名)、患者家族や医療者ではストレスフルであると評価するものも多かった(431名中113名)。倫理コンサルテーションにより、臨床意志決定における合意が増加し(オッズ比4.09)、ICU滞在日数は減少した(平均差4.65日)。
評価
倫理コンサルテーションの利用は、多くの場合ポジティブなものとして受けとめられたが、1/4はストレスも感じた。大規模施設を中心に導入が広がっているが研究はまだ少なく、そもそも何をもってその「有効性」を測るべきかという問題にも議論があるところである。