急性腎障害での早期RRT、ARDSと敗血症性ショック患者では:AKIKI試験の事後解析
Timing of Renal Support and Outcome of Septic Shock and Acute Respiratory Distress Syndrome. A Post Hoc Analysis of the AKIKI Randomized Clinical Trial
背景
急性腎障害(AKI)重症患者での早期の腎代替療法(RRT)に関しては、最近、AKIKI試験とELAIN試験の二つの大規模RCTが矛盾した結果を示した。フランスHopital Louis MourierのGaudryらは、AKIKI試験の事後解析から、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)・敗血症性ショック患者での早期RRT開始の意義を検討した(n=619)。
結論
348名(56%)が敗血症性ショックを有し、207名(33%)がARDSを有した。ベースラインでの敗血症性ショック・ARDS・重症度(SAPS 3・SOFA)とも、早期RRT群・晩期RRT群の60日死亡率に差をもたらさなかった。晩期RRT群では、敗血症性ショック患者の45%、ARDS患者の46%がRRTを回避した。尿量は晩期群で多く、腎機能回復も晩期群で早かった。ウィーニング時間に差はなかった。
評価
炎症性サイトカインが関与するARDS・敗血症性ショックでも、早期の血液浄化に利益はなかった。重症AKIでのRRT開始タイミングについてはさらにSTARRT-AKI試験(NCT02568722)・IDEAL-ICU試験(NCT01682590)が進行中である。


