心停止でのアドレナリン有益性を大規模RCTで検証:PARAMEDIC2試験
A Randomized Trial of Epinephrine in Out-of-Hospital Cardiac Arrest
背景
アドレナリンは長らく心停止における第一の蘇生薬であったが、いくつかのエビデンスがこの有効性に疑問符をつけた。イギリスUniversity of WarwickのPerkinsらは、NHSの院外心停止患者でアドレナリンまたはプラセボを比較する二重盲検・ランダム化比較試験PARAMEDIC2を実施した(n=8,014)。
結論
30日生存率はアドレナリン群3.2%・プラセボ群2.4%と、アドレナリン群で高かった(オッズ比1.39)。神経学的良好退院は、各2.2%・1.9%と有意差はなかった(1.18)。神経学的傷害を有する患者(退院時の修正Rankinスケール4・5)の割合は、アドレナリン群で多かった(31.0% vs. 17.8%)。
評価
近年のエビデンスによりアドレナリンの地位は揺るがされていたが(https://doi.org/10.1001/jama.2012.294, http://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2014.03.008)、過去最大のRCTとなった本試験では30日生存率を有意に改善した。とはいえ神経学的良好な予後に差はなく、有効な集団・用量・タイミングなど検討されるべき課題は多い。