重症患者でのプロカルシトニンガイド抗菌薬:開始時か中止時か
Systematic Review and Meta-Analysis of Procalcitonin-Guidance Versus Usual Care for Antimicrobial Management in Critically Ill Patients: Focus on Subgroups Based on Antibiotic Initiation, Cessation, or Mixed Strategies

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
May 2018
46
開始ページ
684

背景

プロカルシトニン(PCT)濃度をガイドとした抗菌薬使用はさまざまな適応について検証されてきた。Cleveland ClinicのLamらは、重症成人患者での抗菌薬管理でPCTガイドと通常ケアを比較したランダム化試験のメタ解析を行い、PCTガイドの有効性を評価した。

結論

15件の研究が含まれた。うち3件が抗菌薬投与開始時に、9件は中止時にPCTガイドを用い、3件は両方で用いた。短期死亡率のリスク比は、開始時PCT戦略で1.00、中止時PCT戦略で0.87、両側戦略で1.01と、中止時PCT戦略のみリスクを低下させた。抗菌薬投与期間は、中止時PCT戦略で1.26日、両側戦略で3.10日短縮した。

評価

以前のメタ解析では死亡率・滞在期間などの差は示されなかったが(http://doi.org/10.1097/CCM.0b013e31821201a5)、いつPCTガイドを用いるのかに着目したこのメタ解析では、PCTガイドによる抗菌薬中止の有効性が示された。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)