軽症脳卒中でのrt-PA療法は無益か:PRISMS試験
Effect of Alteplase vs Aspirin on Functional Outcome for Patients With Acute Ischemic Stroke and Minor Nondisabling Neurologic Deficits: The PRISMS Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
July 2018
320
開始ページ
156

背景

軽症脳卒中患者での血栓溶解療法に関するエビデンスは限られている。University of CincinnatiのKhatriらは、全米75の脳卒中ネットワークで、NIHSSスコア5以下の急性虚血性脳卒中患者にアルテプラーゼまたはアスピリンを割り付ける第III相・多施設・ランダム化試験PRISMSを実施した(n=313)。

結論

90日時点での機能的良好アウトカム(修正Rankin Scaleで0/1)は、アルテプラーゼ群78.2%・アスピリン群81.5%であった。36時間以内の症候性頭蓋内出血は、アルテプラーゼ群の5名(3.2%)でみられた。

評価

患者リクルートメントの不調から、資金的事情により試験は打ち切られた。予定の1/3のサンプルサイズで決定的な結論を引き出すことは出来ないが、アルテプラーゼがこの患者群に利益をもたらす可能性は極めて低いと考えられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)