小児の軽症外傷性脳損傷でのS100BマーカーはCTを減らす:メタ解析
The Biomarker S100B and Mild Traumatic Brain Injury: A Meta-analysis
背景
S100Bタンパクはさまざまな脳障害で上昇し、成人の軽症頭部外傷(mTBI)でもマーカーとしての有効性が報告されている。フランスUniversity Hospital of Clermont-FerrandのOrisらは、mTBI後の小児においてS100B測定とCTスキャンを実施した研究のメタ解析により、S100Bの頭蓋内病変検出能を評価した。
結論
8件の研究が基準を満たした。プール感度は100%、特異度は34%であった。二次解析では、受傷後3時間以内に測定された児で感度97%・特異度37.5%であった。低S100BレベルにもかかわらずCT陽性であった児は1名のみで、臨床的に重大なTBIではなかった。
評価
早期測定と年齢別カットオフ値の使用により、重大な見逃しのリスクを極めて低く抑えられることが示された。他のマーカーとの組み合わせによる精緻化も要検討である。