小児の軽症外傷性脳損傷でのS100BマーカーはCTを減らす:メタ解析
The Biomarker S100B and Mild Traumatic Brain Injury: A Meta-analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Pediatrics
年月
June 2018
141
開始ページ
e20180037

背景

S100Bタンパクはさまざまな脳障害で上昇し、成人の軽症頭部外傷(mTBI)でもマーカーとしての有効性が報告されている。フランスUniversity Hospital of Clermont-FerrandのOrisらは、mTBI後の小児においてS100B測定とCTスキャンを実施した研究のメタ解析により、S100Bの頭蓋内病変検出能を評価した。

結論

8件の研究が基準を満たした。プール感度は100%、特異度は34%であった。二次解析では、受傷後3時間以内に測定された児で感度97%・特異度37.5%であった。低S100BレベルにもかかわらずCT陽性であった児は1名のみで、臨床的に重大なTBIではなかった。

評価

早期測定と年齢別カットオフ値の使用により、重大な見逃しのリスクを極めて低く抑えられることが示された。他のマーカーとの組み合わせによる精緻化も要検討である。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)