自然災害のあとには高齢者の入院が増える
All-Cause Hospital Admissions Among Older Adults After a Natural Disaster
背景
自然災害は救急医療の短期的な利用増をもたらすが、中期的影響については十分検討されてこなかった。University of MichiganのBellらは、2011年4月アラバマ州を中心に発生した竜巻のスーパーアウトブレイクがもたらした影響を、Medicare Provider and Analysis Reviewを用いた自己対照ケースシリーズ解析により検討した。
結論
スーパーアウトブレイクから30日以内の高齢者入院は4%増加した。アウトブレイクの直接的な影響が予想される最初3日間の傷害を除外した場合も、直近11ヶ月より高いままであった。ICU入室および院内死亡率の増加はみられなかった。州ごとのデータとしては、アウトブレイクの中心であったアラバマ州で入院およびICU入室が9%増加した。
評価
災害に対する医療対応は、もっぱら災害直後に想定される医療需要の急増に焦点を当ててきた。この研究では、中期的にも、わずかながら有意な入院の増加がみられることが示された。災害によるストレスや日常的ケアの中断がvulnerableな人々に与える影響も注視される必要がある。


