下気道感染症でのプロカルシトニンガイドは抗菌薬使用を減らさない
Procalcitonin-Guided Use of Antibiotics for Lower Respiratory Tract Infection
背景
プロカルシトニン濃度を指標に抗菌薬の投与中止を決定するPCTガイド抗菌薬管理については多くの報告がある。University of PittsburghのHuangらは、高品質の肺炎管理を行っている14病院で、下気道感染が疑われる救急患者をPCT群または通常ケア群に割り付けるランダム化試験ProACTを実施した(n=1,656)。
結論
患者の47.2%が入院し、59.4%が抗菌薬投与を受けた。PCT群の95.9%、通常ケア群では2.2%の医師がPCT検査結果を受け取り、両群でPCTレベルは抗菌薬開始の決定に影響した。抗菌薬投与日数は、PCT群4.2日・通常ケア群4.3日と差はなく、有害アウトカムの割合はそれぞれ11.7%・13.1%であった(非劣性)。
評価
FDAのメタ解析はPCTガイドにより下気道感染症での抗菌薬投与・投与期間が減少するとしたが、こうした先行結果と対照的に、本試験では有効性は見られなかった。近年の抗菌薬過剰使用への意識の高まりを受けて、通常ケア群でも抗菌薬の投与が控えられていた可能性もある。