脳内出血の超急性期にトラネキサム酸は有効か?:TICH-2
Tranexamic acid for hyperacute primary IntraCerebral Haemorrhage (TICH-2): an international randomised, placebo-controlled, phase 3 superiority trial
背景
トラネキサム酸は、外傷性出血患者で出血・死亡を減少させることが明らかにされている。イギリスUniversity of NottinghamのSpriggらは、12ヶ国の急性期脳卒中治療室において、発症8時間以内の原発性脳内出血患者に、トラネキサム酸またはプラセボのボーラス投与+持続投与を割り付けるランダム化試験TICH-2を実施した(n=2,325)。
結論
90日時点での機能的ステータス(修正Rankinスケールの)は両群に有意差はなかった(aOR:0.88)。7日目までの死亡はトラネキサム酸群で少なかったが(9% vs. 11%、aOR:0.73)、90日死亡率に差はなかった(22% vs. 21%、aHR:0.92)。重篤有害事象はトラネキサム酸群で少なかった。
評価
一次アウトカムの差は有意ではなかったものの、いくつかの短期アウトカムでは改善が見られた。より大きな試験で有意な効果が示される可能性もある。さらに複数のRCTが進行中であり、患者個人データによるメタ解析も予定されている。