ST上昇のない心停止でのCAG・PCIは無益?
Coronary angiographic findings and outcomes in patients with sudden cardiac arrest without ST-elevation myocardial infarction: A SWEDEHEART study
背景
ST上昇の見られる心停止は冠動脈造影(CAG)の適応であるが、ST上昇のない心停止での早期のCAG・PCIの有益性は確立されていない。スウェーデンLund UniversityのWesterらは、同国のSCAAR・RIKS-HIAの両レジストリから、冠動脈造影を受けた非ST上昇型突然心停止患者におけるCAG上冠動脈狭窄率とPCIアウトカムを調査した。
結論
非ST上昇型では重篤な併存疾患を有する患者が多かった。36.4%は冠動脈狭窄を有さず、43.9%では重度の冠動脈狭窄(≧90%)を有した。重度狭窄を有した1,271名のうち、59.2%でPCIが施行され、粗死亡率はPCI実施患者で高かったが(40.9% vs. 32.7%)、交絡因子調整後には両群の死亡率に有意差はなかった(ハザード比1.07)。
評価
非ST上昇型であってもPCIが生存率を改善するとする観察結果もあるが(http://doi.org/10.1161/CIRCINTERVENTIONS.109.913665)、相反する報告もある。本研究でも多くの患者が狭窄を有したものの死亡率とは関連せず、PCIの利益は見出されなかった。