救急小児での鎮静前絶飲食は有害事象リスクを減らさない
Association of Preprocedural Fasting With Outcomes of Emergency Department Sedation in Children
背景
誤嚥は鎮静においてもっとも憂慮される有害事象であり、鎮静前の絶飲食に関するガイドラインも存在するが、救急での処置時鎮静でも遵守されるべきか。カナダChildren’s Hospital of Eastern OntarioのBhattらは、小児救急部門で処置時鎮静を受けた小児患者の多施設前向コホートで、処置前絶飲食の時間と鎮静関連有害事象の発生率との関連を調査した(n=6,183)。
結論
患者の48.1%が固形物について、5.0%が清澄水についてアメリカ麻酔科学会ガイドラインに抵触していた。肺内誤嚥はなかった。717件(11.6%)の有害事象が発生し、うち68件(1.1%)が重篤有害事象、315件(5.1%)が嘔吐であった。有害事象・重篤有害事象・嘔吐のリスクは、固形物についても清澄水についても、絶飲食の時間により変化しなかった。
評価
先行研究の示唆をより大規模に検証し、待機的処置での推奨事項は救急小児には適用できないことを確認した。