ショックではカテコラミン単独よりバソプレシン併用:メタ解析
Association of Vasopressin Plus Catecholamine Vasopressors vs Catecholamines Alone With Atrial Fibrillation in Patients With Distributive Shock: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
感染症やアナフィラキシーによって生じる血液分布異常性ショックでは、カテコラミン製剤が一般に用いられるが、心房細動リスクがある。カナダMcMaster UniversityのMcIntyreらは、系統的レビューとメタ解析により、カテコラミン単独と比してカテコラミン・バソプレシン併用が心房細動その他有害事象を減少させるかを検討した。
結論
23件のランダム化試験が同定された(n=3,088)。バソプレシン治療は心房細動のリスク低下と関連した(リスク比0.77)。死亡率の全体リスク比は0.89であったが、バイアスリスクの低い試験に限定した場合、0.96であった。腎代替療法のリスク比は0.74、低バイアスリスク試験のみでは0.70であった。その他のアウトカムに有意差は見られなかった。
評価
バソプレシン追加でカテコラミン用量を減少させることにより、心房細動リスクを低下させられることを確定した。最新のSurviving Sepsis Campaignガイドラインも、ノルエピネフリンにバソプレシンを追加することを提案している。