外傷性心停止での二次救命処置、医師がやった方が予後が良い?
Association of Prehospital Advanced Life Support by Physician With Survival After Out-of-Hospital Cardiac Arrest With Blunt Trauma Following Traffic Collisions: Japanese Registry-Based Study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Surgery
年月
April 2018
Online First
開始ページ
Online First

背景

院外心停止(OHCA)患者において、病院前からの二次救命処置(ALS)を実施する意義があるかどうかについては議論が続いている。日本University of the RyukyusのFukudaらは、日本のOHCA全国レジストリにおける交通事故後の外傷性OHCA患者で、医師によるALSと救急隊員によるALSおよび一次救命処置(BLS)のみのアウトカムを比較した(n=4,382)。

結論

医師による病院前ALSを受けたのは18.9%、救急隊員によるALSを受けたのは36.3%、BLSのみの患者は44.8%であった。1ヶ月生存率は、医師ALS群3.1%・救急隊ALS群1.6%・BLSのみ群2.3%であった。交絡因子を調整後、医師によるALSは、救急隊ALS・BLSのみと比較して高い1ヶ月生存率と関連した(オッズ比2.13・1.94)。

評価

心停止患者における病院前ALSは有害であるとした研究もあるが(http://doi.org/10.1001/jamainternmed.2014.5420)、医師によるALSは生存率を上昇させた。ただし、日本では救急隊員に蘇生中止の判断が許されていないことから、バイアスが生じている可能性もある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)