急性期・重症患者での酸素投与は保守的に:ランダム化試験25件のメタ解析
Mortality and morbidity in acutely ill adults treated with liberal versus conservative oxygen therapy (IOTA): a systematic review and meta-analysis
背景
急性期・重症患者で酸素投与は一般的だが、近年、過剰な酸素投与の有害性がクローズアップされている。カナダMcMaster UniversityのChuら(IOTA)は、ランダム化試験を対象とする系統的レビュー・メタ解析により、急性期・重症成人患者におけるリベラルまたは保守的な酸素戦略を比較した。
結論
25件のRCTから、敗血症・重症疾患・脳卒中・外傷・心筋梗塞・心停止・緊急手術患者が含まれた(16,037名)。保守的な酸素戦略と比較して、リベラルな酸素戦略は院内死亡率の増加と関連した(相対リスク1.21)。30日死亡率(1.14)・長期死亡率(1.10)についても同様であった。合併症アウトカムは両群で同等であった。
評価
高酸素回避への流れをダメ押しするメタ解析結果である。酸素投与の目標値はSpO2で96%程度を上限とするのが好ましいと考えられる。