ICU挿管後の心停止、予測する因子は?
Cardiac Arrest and Mortality Related to Intubation Procedure in Critically Ill Adult Patients: A Multicenter Cohort Study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
April 2018
46
開始ページ
532

背景

重症患者における挿管では時として命を脅かす合併症が生じる。フランスUniversite MontpellierのDe Jongらは、同国64施設ICUからの前向データを元に、ICU挿管中の心停止の発生率・リスク因子・死亡率を調査した(n=1,847)。

結論

49件(2.7%)の心停止が発生し、うち14件(28.6%)は自己心拍が再開しなかった。挿管関連心停止のリスク因子として、挿管前のSBP < 90mm(オッズ比3.406)、低酸素血症(3.991)、前酸素化を実施しない(3.584)、過体重・肥満(2.005)、75歳以上(2.251)があった。28日死亡率は、心停止のない患者で30.1%、心停止患者では73.5%にのぼった(ハザード比3.9)。

評価

40例にひとりの割合で挿管による心停止が生じていた。リスク因子のいくつかは、血行動態・酸素化状態を改善するための介入により修飾可能とみられる。

関連するメディカルオンライン文献

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)