ICUの受け入れ能力が重症救急患者に与える影響
Effect of Emergency Department and ICU Occupancy on Admission Decisions and Outcomes for Critically Ill Patients
背景
ICU入室の遅れは患者アウトカムに悪影響を与えると考えられるが、遅れをもたらす因子は何か。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのMathewsらは、三次医療病院の単施設・後向コホートから、ICU入室のコンサルトが行われた重症救急患者(n=854)の入室決定とアウトカムに影響を与えるキャパシティ因子を調査した。
結論
救急部門のリクエストのうち、53.3%が受け入れられ、46.7%が拒否された。持続的臓器障害・死亡の複合アウトカムは各41.5%・44.6%であった。受け入れに関連する因子は若年患者・重症、病院レベル因子としてはICU満室状態が受け入れ拒否と関連した。傾向スコア解析では、コンサルテーション後の救急待期時間が長いほど死亡・持続的臓器障害の危険が高まった(オッズ比1.77)。
評価
受け入れの遅れは患者の転帰を悪化させたが(https://doi.org/10.1164/rccm.201104-0729OC)、受け入れか拒否かの判断は専らICUベッドの利用状況に影響された。リソースの追加や予定手術の延期など病院全体での戦略が必要である。