鈍的外傷小児での全身CTは死亡率を低下させない
Association of Whole-Body Computed Tomography With Mortality Risk in Children With Blunt Trauma
背景
成人の外傷では、全身のCTスキャンが予後を改善するとする観察報告があるが、小児のデータは少ない。Albert Einstein College of MedicineのMeltzerらは、National Trauma Data Bankの、救急到着後2時間以内に緊急CTスキャンを受けた鈍的外傷小児(6ヶ月〜14歳)のデータを用い、全身CTと局所CTが死亡率に与える影響を調査した(n=42,912)。
結論
20.4%が全身CTを受けた。0.9%の小児が7日以内に死亡した。傾向スコアで調整後、全身CTは死亡率に有意な差を与えなかった(絶対リスク差:-0.2%)。すべてのサブグループで同様であった。
評価
成人での唯一のRCTでは、(観察研究とは対照的に)全身CTは生存率を改善しなかった(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(16)30932-1)。傾向スコア重み付けを用いたこの研究では、すべての重症度サブグループを通じ全身CT群での死亡率の低下が見られないことが示された。より質の高いエビデンスが現れるまではルーチンな利用は推奨されない。


