心停止患者の搬送、PCI可能施設か直近施設か
Impact of the direct transfer to percutaneous coronary intervention-capable hospitals on survival to hospital discharge for patients with out-of-hospital cardiac arrest

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Resuscitation
年月
April 2018
125
開始ページ
28

背景

院外心停止(OHCA)患者の一部は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)から利益を受けるが、PCI可能病院への搬送は、直近病院と比して病院到着までの時間を遅らせる可能性がある。カナダHopital du Sacre-Coeur de MontrealのCournoyerらは、OHCAレジストリの成人患者データでPCI可能病院への搬送と退院生存率との関連を検討し、PCI可能病院への搬送による生存ベネフィットが搬送時間の延長によって相殺される地点を決定した(n=4,922)。

結論

患者の48%がPCI実施可能な病院に搬送された。PCI可能病院への搬送は生存退院と関連した(調整オッズ比1.6)。通報から病院到着までの時間の遅れが14分以上の場合、PCI可能病院への搬送によるベネフィットは相殺されると考えられた。

評価

早期PCI実施による利益と病院前時間の延長による害が打ち消し合う地点を、具体的な数値で示した。搬送の遅れが10分程度であれば、PCI可能施設への搬送を選択することは十分に合理的である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)