救急部門の混雑を改善する4つのカギ
Hospital Strategies for Reducing Emergency Department Crowding: A Mixed-Methods Study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
April 2018
71
開始ページ
497

背景

救急部門の混雑は、患者の満足度を低下させ、アウトカムの悪化にもつながる。Thomas Jefferson UniversityのChangらは、2012年に救急滞在時間・待ち時間が上位5%・下位5%の病院、および2013年までに最も改善した病院を特定し、各カテゴリ4病院の代表サンプル(計60名)への体系的インタビューにより各病院の救急混雑への戦略を調査した。

結論

すべての病院で救急過密は病院全体の問題として認識されていたが、対応戦略は大きく異なった。病院パフォーマンスと関連する4つの組織的特性が存在した。1) 混雑解消を最優先課題とする経営陣のリーダーシップ、2) 病棟における病床回転率の改善など病院全体での戦略策定、3) データのリアルタイムなフィードバックに基づく管理、4) メインスタッフの説明責任の明確化、である。

評価

高パフォーマンス病院と低パフォーマンス病院双方での広範な聞き取りを通じ、両者の差が何によるものかを特定しようとする意欲的な調査である。単独で救急滞在時間の短縮に関連する介入は存在しなかったが、病院組織として救急混雑に対応するための基本概念を明確にした。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)