心停止患者でのアドレナリン、投与量を減らしてもアウトカムに変化なし
Lower-dose epinephrine administration and out-of-hospital cardiac arrest outcomes
背景
心停止患者では3-5分間隔で1mgのアドレナリン投与が推奨されているが、至適な投与間隔・用量は知られていない。University of Washington のFiskらは、非外傷性の院外心停止患者でのアドレナリン投与プロトコルを変更(1mgから0.5mg)した前後で、生存アウトカムが変化したかを調査した(n=2,255)。
結論
ショック適応リズム患者(24.6%)では、総アドレナリン投与量が平均3.4mgから2.6mgに、ショック非適応の患者では3.5mgから2.6mgへと減少した。ショック適応患者の生存退院率は、高用量期間35.0%・低用量期間34.2%である、ショック非適応患者では4.2%・5.1%であった。神経学的良好退院についても高用量と低用量で有意な差はなかった。
評価
アドレナリンの有効性を疑問視する2011年の2論文(https://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2011.06.029、https://doi.org/10.1001/jama.2012.294)を受けて、投与量を減らす方向にプロトコルを変更した結果の報告である。投与量の減少はアウトカムに有意な影響を与えないと考えられる。アドレナリンとプラセボを比較するPARAMEDIC 2試験(ISRCTN73485024)の結果も今年中に明らかにされる予定である。