軽度の筋骨格外傷ではアセトアミノフェン単独でNSAID・併用に劣らず
Acetaminophen or Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs in Acute Musculoskeletal Trauma: A Multicenter, Double-Blind, Randomized, Clinical Trial
背景
急性の軽度筋骨格外傷に対してはアセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)などが用いられるが、単独あるいは併用でいずれが優れるかは不明である。オランダAcademic Medical CenterのRidderikhofらは、救急部門および一般開業医を受診した軽度の急性鈍的四肢筋骨格外傷患者を、アセトアミノフェン(4,000 mg/d)、ジクロフェナク(150 mg/d)、両者の併用に1:1:1で割り付ける多施設・非盲検・ランダム化試験を実施した(n=547)。
結論
90分後までの安静時NRSはアセトアミノフェン群-1.23・ジクロフェナク群-1.20・併用群-1.18の低下、体動時NRSはそれぞれ-1.72・-1.52・-1.33の低下であった。すべての群間差は非劣性マージンを下回り、アセトアミノフェンの非劣性が示された。
評価
術後疼痛などでアセトアミノフェン・NSAID併用の方がよいとする結果もあるが(http://doi.org/10.1213/ANE.0b013e3181cf9281)、軽度の急性筋骨格痛を対象とした本試験からは、アセトアミノフェンにルーチン的にNSAIDを追加するベネフィットはないことが示唆される。