ショック非適応の院外心停止では早期のアドレナリン投与が重要
Time to Epinephrine Administration and Survival from Non-Shockable Out-of-Hospital Cardiac Arrest Among Children and Adults
背景
アドレナリンは心停止における第一選択薬であるが、近年その効果が時間依存的であることを示唆するエビデンスが登場している。Oregon Health & Science UniversityのHansenらは、Resuscitation Outcomes Consortium(ROC)ネットワークの院外心停止例での二次解析を行い、初期リズムがショック非適応の院外心停止患者におけるアドレナリン投与までの時間と生存退院率との関連を検討した(n=32,101)。
結論
12,238名が10分未満での投与、14,517名が10分以上、5,346名はアドレナリン投与を受けなかった。交絡因子の調整後、救急隊到着からアドレナリン投与までの時間が1分延長するごとに生存率が4%低下した(オッズ比0.96)。神経学的アウトカムについても同様であった(0.94)。小児での解析では、1分遅れるごとに生存率は9%低下した。
評価
ショック適応例の場合と同様(http://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2015.08.011)、アドレナリンの生存ベネフィットは時間依存的であった。最近のガイドラインはショック非適応患者でのアドレナリン投与はなるべく早期に行うことを推奨しているが、この推奨に支持を与える大規模観察データである。