救急の急性アルコール中毒患者における予期せぬ重症化
Unsuspected Critical Illness Among Emergency Department Patients Presenting for Acute Alcohol Intoxication

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
March 2018
71
開始ページ
279

背景

急性アルコール中毒による救急受診は一般的であるが、予期せぬ重症化リスクはどのようなものか。Hennepin County Medical CenterのKleinらは、内科的・外科的愁訴を伴わない単純性アルコール中毒の救急患者コホートで、予期されない集中治療リソース利用と関連する因子を調査した(n=31,364)。

結論

1%(325件)が集中治療リソースの利用に至った。一般的な診断として、急性低酸素血症性呼吸不全(受診1000件あたり3.1件)・アルコール離脱症状(1.7件)・敗血症/感染症(1.1件)・脳内出血(1.0件)があった。重症化のリスク因子として、低血糖(オッズ比9.2)・低血圧(3.8)・発熱(7.6)・低酸素(3.8)・低体温(4.2)・非経口鎮静(2.4)があり、初期の血中アルコール濃度はリスク因子ではなかった。

評価

初期評価で低リスクと判断された急性アルコール中毒患者の重症化リスクは非常に低いものであったが、バイタル異常や低血糖、非経口鎮静患者などでは特別な注意を要する。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)