救急の急性アルコール中毒患者における予期せぬ重症化
Unsuspected Critical Illness Among Emergency Department Patients Presenting for Acute Alcohol Intoxication
背景
急性アルコール中毒による救急受診は一般的であるが、予期せぬ重症化リスクはどのようなものか。Hennepin County Medical CenterのKleinらは、内科的・外科的愁訴を伴わない単純性アルコール中毒の救急患者コホートで、予期されない集中治療リソース利用と関連する因子を調査した(n=31,364)。
結論
1%(325件)が集中治療リソースの利用に至った。一般的な診断として、急性低酸素血症性呼吸不全(受診1000件あたり3.1件)・アルコール離脱症状(1.7件)・敗血症/感染症(1.1件)・脳内出血(1.0件)があった。重症化のリスク因子として、低血糖(オッズ比9.2)・低血圧(3.8)・発熱(7.6)・低酸素(3.8)・低体温(4.2)・非経口鎮静(2.4)があり、初期の血中アルコール濃度はリスク因子ではなかった。
評価
初期評価で低リスクと判断された急性アルコール中毒患者の重症化リスクは非常に低いものであったが、バイタル異常や低血糖、非経口鎮静患者などでは特別な注意を要する。