未就学小児のウイルス誘発喘鳴にステロイドで滞在時間短縮
Oral prednisolone in preschool children with virus-associated wheeze: a prospective, randomised, double-blind, placebo-controlled trial
背景
ウイルス感染に関連する喘鳴エピソードは未就学小児で一般的だが、コルチコステロイドの有効性に関しては結論を見ていない。オーストラリアPrincess Margaret Hospital for ChildrenのFosterらは、小児救急部門を受診したウイルス関連喘鳴小児(2〜6歳)において、プレドニゾロンに対するプラセボの非劣性性を検証するRCTを実施した(n=624)。
結論
退院が可能になるまでの時間はプレドニゾロン群で370分、プラセボ群で540分と延長し、プラセボの非劣性は示されなかった。事後的な優越性解析では、プレドニゾロン群の滞在期間の幾何平均比は0.79であった。重篤有害事象は報告されなかった。
評価
2009年にNEJMで発表されたRCTではプレドニゾロンの効果は示されなかったが(http://doi.org/10.1056/NEJMoa0804897)、プラセボの非劣性を示すために行われた本試験では、反対にプレドニゾロンのベネフィットが示された。ベネフィットは特に、重症度の高い患者、家庭で気管支拡張薬を受けた患者、喘息既往を有する患者で明瞭であった。