トランスジェンダーの人々が救急受診をためらう理由
“Sometimes You Feel Like the Freak Show”: A Qualitative Assessment of Emergency Care Experiences Among Transgender and Gender-Nonconforming Patients

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
February 2018
71
開始ページ
170

背景

トランスジェンダー/ジェンダーバリアント/インターセクシャルの人々は、医療へのアクセスにおいて、シスジェンダーとは異なる障壁を有する可能性がある。Yale Department of Emergency MedicineのSamuelsらは、過去5年以内に救急部門を受診した経験のあるトランスジェンダー成人を募集し(n=32)、フォーカスグループを通じ救急におけるトランスジェンダーの障壁・問題を特定した。

結論

44%が、緊急のケアを要する際にも救急受診を避けると報告した。救急受診の回避に影響を与えた因子は、差別されることへの怖れ、待ち時間の長さ、過去のネガティブな経験であった。医療者へのジェンダー教育、性アイデンティティに関するプライバシー保護、電子カルテにおけるジェンダー・性指向の正確な把握などが推奨事項として挙がった。

評価

救急受診で直面したさまざまな問題を、トランスジェンダー自身の視点から把握する重要なインタビュー研究である。併載論文によれば、救急医療従事者のトランスジェンダーに関する一般的知識は十分とは言えず(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2017.09.042)、適切な教育機会は不可欠である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)