アメリカの救急医、医療過誤訴訟リスクが高いのは?
Provider and Practice Factors Associated With Emergency Physicians’ Being Named in a Malpractice Claim

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
February 2018
71
開始ページ
157

背景

アメリカは、支払いの生じた医療訴訟だけで年1万件を超えるとされる医療訴訟大国である。Allegheny Health NetworkのCarlsonらは、全国規模の救急医療グループの医療従事者・勤務・訴訟データから、救急医の特性・実践に関連する因子と医療訴訟リスクの関連を検討した(n=9,477,150 visits、1,029 physicians)。

結論

2010年から2014年にかけ、90名(9%)の医師に対し98件の訴訟が提起された。訴訟リスクと関連したのは、勤務年数(調整オッズ比1.04)と受診件数(1.09)の増加のみであった。

評価

この研究では、訴訟と関連した因子は勤務年数・患者数のみであり、患者満足度や時間あたりRVUなどもリスクに関わらなかった。アメリカの救急医にとって訴訟は実践の避けがたい一部と言うほかなさそうである。日本の医療訴訟は年1000件未満である。

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大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)