重症小児での輸液過剰は死亡率上昇と関連:メタ解析
Association Between Fluid Balance and Outcomes in Critically Ill Children: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
輸液は初期蘇生における必須の要素であるが、その後の輸液過剰(fluid overload)はアウトカムを悪化させる可能性が指摘されてきた。カナダStollery Children’s HospitalのAlobaidiらは、システマティックレビューとメタ解析により、小児ICUに入室した小児における輸液バランス・過剰輸液とアウトカムとの関連を検討した。
結論
44件の研究が含まれた(n=7,507)。患者分類や過剰輸液の定義により、過剰輸液の割合は大きな幅があった(中央値33%、幅10%-83%)。過剰輸液は院内死亡率の上昇と関連し(オッズ比4.34)、生存者では過剰輸液の割合が低かった(平均差-5.62)。過剰輸液は、長期の人工呼吸(オッズ比2.14)・急性腎障害(2.36)とも関連した。
評価
小児重症患者においても輸液過剰はアウトカムを悪化させる因子と考えられる。初期蘇生後のより制限的な輸液戦略やderesuscitationといった介入の効果が前向検証される必要があるが、「過剰」の定義に関する合意が必要である。