リスクスコアとD-ダイマーの組み合わせで急性大動脈解離の除外を可能に
Diagnostic Accuracy of the Aortic Dissection Detection Risk Score Plus D-Dimer for Acute Aortic Syndromes: The ADvISED Prospective Multicenter Study
背景
急性大動脈解離(AAS)は臨床症状が多彩で診断に困難が伴なうが、リスクスコア(ADD-RS)とD-ダイマーを組み合わせたアルゴリズムが提案されている。イタリアCareggi University HospitalのNazerianら(ADvISED)は、胸/腹/背部痛・失神・血流欠損およびAASが鑑別となった外来患者の前向・多国籍コホートで、リスクスコアADD-RSとD-ダイマーの統合による診断戦略の安全性・有効性を評価した(n=1,850)。
結論
24%がADD-RSスコア0、58%がスコア1、18%がスコア2以上であり、13%がAASを有した。D-ダイマー陽性(≧500 ng/mL)の感度は96.7%、特異度は64%であった。AAS-RSが0かつD-ダイマー陰性の患者(n=294、15.9%)で、AASは1件のみであった(見逃し率0.3%)。ADD-RSが1以下でD-ダイマー陰性の患者(n=924、49.9%)では、AASは3件(見逃し率0.3%)であった。
評価
著者らの先行結果を前向研究で確認した(http://doi.org/10.1016/j.ijcard.2014.04.257)。ADD-RSが0/1でD-ダイマーが陰性の場合は、AASを除外しうる(ADD-RSが2以上では画像検査を推奨)。