蘇生中のETCO2レベルは心拍再開を予測する:システマティックレビュー
The use of end-tidal carbon dioxide (ETCO2) measurement to guide management of cardiac arrest: A systematic review

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Resuscitation
年月
February 2018
123
開始ページ
1

背景

呼気終末二酸化炭素分圧(ETCO2)は、心停止患者における蘇生アウトカムを予測する因子とされる。ブラジルUniversity of Sao Paulo School of MedicineのPaivaらは、系統レビューにより心停止患者のETCO2値と自己心拍再開(ROSC)・生存率との関連を検討した。

結論

17件の観察研究(n=6,198)が質的統合に含まれ、5件をメタ解析した。蘇生中の様々な地点でETCO2値≧10 mmHgはROSCと関連していた。この関連には研究間差はなかったが、エビデンスの質は低かった。初期または蘇生開始後20分時点でETCO2が20 mmHgを超える場合、10 mmHgのカットオフよりもROSC率は高かった。蘇生開始20分後にETCO2 <10 mmHgであった場合、ROSC率は0.5%であった。

評価

現行AHAガイドラインは、蘇生開始20分後でのETCO2が10 mmHg未満であった場合、蘇生中止を考慮するとしている。本メタ解析の結果からも、このカットオフは無益性を判断する重要な要素とみなされてよい。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)