救急の外傷性鼓膜穿孔:2/3が小児、1/4が綿棒原因
Traumatic Tympanic Membrane Perforations Diagnosed in Emergency Departments

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgery
年月
December 2017
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開始ページ
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背景

綿棒による耳掃除は耳外傷の主要な原因であり、鼓膜穿孔のような重大な事態を引き起こすこともある。カナダUniversity of TorontoのCarniolらは、全米100ヶ所の救急部門における5年間の記録から、外傷性鼓膜穿孔の患者特性や受傷機序を調査した。

結論

949件の外傷性鼓膜穿孔があり、これは全米で4,852件に相当する。59.8%は男性であり、63.4%は18歳以下、34.9%は6歳未満であった。61.2%の症例で(異物を含め)外耳道器具について記載されており、うち44.9%が綿棒であった。ほとんどの年代で器具異物は穿孔の第一原因であったが、13〜18歳では水上スキー・ダイビングが第一原因であった(38.1%)。

評価

綿棒による外傷は全米で年1万件超の救急受診につながっていると考えられる(http://doi.org/10.1016/j.jpeds.2017.03.049)。綿棒による耳垢掃除は百害あって一利なしであることが重ねて周知される必要がある。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)