CT造影剤は腎症のリスクを本当に高めるのか?:メタ解析
Acute Kidney Injury After Computed Tomography: A Meta-analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
January 2018
71
開始ページ
44

背景

造影剤によって誘発される急性腎障害(AKI)は検査の重要な懸念事項であるが、そのリスクは従来考えられていたよりも低いかもしれない。Eglin Air Force Base HospitalのAycockらは、造影剤使用CTと非使用CTでのAKIリスク・腎代替療法・死亡率を比較した既存研究のメタ解析を実施した。

結論

28研究(n=107,335)が最終解析に含まれた。急性腎障害・腎代替療法・全原因死亡率のいずれについても、造影剤使用CTでのリスク上昇は見られなかった(オッズ比0.94・0.83・1.0)。

評価

造影剤腎症のリスクを強調する初期の研究に関しては、その妥当性が議論の的となってきた。このメタ解析は観察研究からなるものではあるが、「造影剤後腎症は造影剤誘発性腎症ではない」という近年の見解に支持を与える。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)