CT造影剤は腎症のリスクを本当に高めるのか?:メタ解析
Acute Kidney Injury After Computed Tomography: A Meta-analysis
背景
造影剤によって誘発される急性腎障害(AKI)は検査の重要な懸念事項であるが、そのリスクは従来考えられていたよりも低いかもしれない。Eglin Air Force Base HospitalのAycockらは、造影剤使用CTと非使用CTでのAKIリスク・腎代替療法・死亡率を比較した既存研究のメタ解析を実施した。
結論
28研究(n=107,335)が最終解析に含まれた。急性腎障害・腎代替療法・全原因死亡率のいずれについても、造影剤使用CTでのリスク上昇は見られなかった(オッズ比0.94・0.83・1.0)。
評価
造影剤腎症のリスクを強調する初期の研究に関しては、その妥当性が議論の的となってきた。このメタ解析は観察研究からなるものではあるが、「造影剤後腎症は造影剤誘発性腎症ではない」という近年の見解に支持を与える。


