無症状者の運動誘発PVCは危険:Harvard研究
Exercise-Induced Ventricular Ectopy and Cardiovascular Mortality in Asymptomatic Individuals
背景
他に心血管症状のない個人の運動時に起こる心室性期外収縮(PVC)の臨床的意義は。 Harvard Medical SchoolのMoraらは、Lipid Research Clinics前向コホートの心血管無症候参加者5,486名の平均20.2年の追跡データを解析した。全参加者にベースラインインタビュー・身体検査・血液検査・ブルースプロトコルトレッドミルテストを行い、運動誘発性高度PVC(頻度>10/minute・多源性・R-on-T ・≧2 PVCs連発 )発生と全原因/心血管死亡の関連を評価した。
結論
高度PVCは、運動中に1.8%、運動後リカバリー時に2.4%、両方で0.8%発生した。 多因子調整後、リカバリー時の高度PVCは心血管死亡リスクを上げた(aHR:1.82)。運動時のみの高度PVCは同リスクを上げなかった。
評価
はっきりした結論のなかった問題に対し、大規模・長期研究で「無症状者の運動誘発PVCは危険」という明確な結論を与えた。ウェアラブルデバイスで不整脈が捕捉される時代となり、より有益な情報である。運動中のみの発生ならまず無害、という条件付けも有用である。