COVID-19ファイザーワクチン接種後心筋炎は「稀で若年男性、ほぼすべて中等症以下」:Hadassah Hebrew University
Myocarditis after BNT162b2 mRNA Vaccine against Covid-19 in Israel
背景
New England Journal of Medicineは、COVID-19Pfizer-BioNTechワクチンに起因する心筋炎に関する2報告を併載している。Hadassah Hebrew UniversityのMevorachらのものは、約510万人の接種者に関する同国保健省のサーベイランス結果(2020年12月20日〜2021年5月31日)に基づくもので、初回接種後21日以内および2回目接種後30日以内の観測値と期待値との標準化発症比を求め、さらに2回目接種後30日時点でのワクチン未接種者との率比を算定した。
結論
ワクチン接種後の心筋炎発症が(ほぼ)確実であったのは136名であった。95%が軽症で、1名が死に至った。2回目接種後と初回接種後とのリスク差は1.76/10万人で、16〜19歳男性でもっとも大きかった。標準化発症比は5.34で、16〜19歳男性における2回目の接種後がもっとも高かった(13.60)。完全接種者における2回目の接種後30日時点でのワクチン未接種者に対する率比は2.35で、これも16〜19歳の男性がもっとも高かった(1/6,637人)。
評価
懸念が表明された病態だが、「稀で若年男性に偏り、ほぼすべて軽症〜中等症」という結果となった。併載のBeilinson Hospital結果(10.1056/NEJMoa2110737)と質的には同様であるが、頻度はより少ない。