COVID-19患者にアスピリンは無益: RECOVERY
Aspirin in patients admitted to hospital with COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial
背景
COVID-19重症例では血栓塞栓症が30%程度でみられるとされ、アスピリンの予防的使用が提唱されている。イギリス RECOVERY Collaborative GroupのHorbyらは、2020/11/01〜2021/03/21にイギリス・インドネシア・ネパールで登録したCOVID-19患者14,892名を対象に同薬(150mg/day)の有効性を検証するオープンラベルRCTを行った(対照: 標準治療)。1次アウトカムは28日後死亡率である。
結論
アスピリンの一次アウトカム効果を認めなかった。入院期間中央値は僅かに短かかったが、侵襲的人工呼吸導入・死亡の複合エンドポイントでも差はみられなかった。アスピリン群では血栓症イベントは少ない傾向があったが非有意で、出血イベントは有意に増加した。
評価
小規模データも多かった手法だが、大規模RCTエビデンスは得られなかった。重症患者でのサイトカインストームに起因する血液凝固障害や血管内皮障害による血栓症の抑制効果は否定しきれない。