ACE阻害薬・ARBによる降圧はT2D発症を抑える: IPDメタ解析
Blood pressure lowering and risk of new-onset type 2 diabetes: an individual participant data meta-analysis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
November 2021
398
開始ページ
1803

背景

降圧治療により2型糖尿病(T2D)の発症を予防できるか。イギリス University of OxfordのRahimiらは、19のRCTの個別患者データ(n=145,939)ベース(IPD)メタ解析を行った。

結論

観察期間中央値4.5年間で9,883名が新規T2Dを診断され、収縮期血圧 5mmHg低下毎にT2Dリスクは11%減少した(HR: 0.89)。ACE阻害薬もしくはARBによる降圧療法ではDMリスクが低下したが(ともにRR: 0.84)、β遮断薬(RR: 1.48)やサイアザイド系利尿薬(RR: 1.20)ではリスクが増加し、Ca拮抗薬では変化がみられなかった。

評価

重要で興味深い仮説を確定に近づけたメタ解析であり、GWASによる遺伝子バリアント解析でさらにデータが強化されている。今後降圧薬の選択は具体的DMリスク予測と関連させられるべきこととなる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)