ACE阻害薬・ARBによる降圧はT2D発症を抑える: IPDメタ解析
Blood pressure lowering and risk of new-onset type 2 diabetes: an individual participant data meta-analysis
背景
降圧治療により2型糖尿病(T2D)の発症を予防できるか。イギリス University of OxfordのRahimiらは、19のRCTの個別患者データ(n=145,939)ベース(IPD)メタ解析を行った。
結論
観察期間中央値4.5年間で9,883名が新規T2Dを診断され、収縮期血圧 5mmHg低下毎にT2Dリスクは11%減少した(HR: 0.89)。ACE阻害薬もしくはARBによる降圧療法ではDMリスクが低下したが(ともにRR: 0.84)、β遮断薬(RR: 1.48)やサイアザイド系利尿薬(RR: 1.20)ではリスクが増加し、Ca拮抗薬では変化がみられなかった。
評価
重要で興味深い仮説を確定に近づけたメタ解析であり、GWASによる遺伝子バリアント解析でさらにデータが強化されている。今後降圧薬の選択は具体的DMリスク予測と関連させられるべきこととなる。