CYP2C19機能喪失アレルキャリアの脳卒中再発防止にはチカグレロル:CHANCE-2
Ticagrelor versus Clopidogrel in CYP2C19 Loss-of-Function Carriers with Stroke or TIA
背景
CYP2C19の機能喪失アレルを保有する脳卒中患者の再発予防のためには、クロピドグレルをチカグレロルで置き換えることが提唱されている。中国Capital Medical UniversityのWangら(CHANCE-2)は、同アレルを保有する軽度虚血性脳卒中またはTIA患者を対象として、この問題を検証するRCTを行った。投薬は発症後24時間以内、チカグレロル用量は1日目180mg、2〜90日目90mgを1日2回、クロピドグレル用量は1日目300mg、2〜90日目75mgを1日1回とし、両薬にプラセボを対照させた。両群で21日間アスピリンを投与した(n=6,412)。一次有効性アウトカムは、90日時の新規脳卒中、一次安全性アウトカムは、重度〜中等度の出血である。
結論
チカグレロルのクロピドグレルに対する一次アウトカム優位を認めた(HR:0.77)。一次安全性アウトカムに群間差はなかったが、全出血はチカグレロル群が多かった。
評価
最大規模のRCTで提案に強力な肯定的エビデンスを提示したもので、同アレルの検討なしにはクロピドグレルを使い難い状況となった。ただし著者らは、ここでの結果が漢族(試験参加者の98%)に限定されると強調している。