降圧目標水準はターゲットリスクによって異なる: ALLHAT後向解析
Contributions of Systolic and Diastolic Blood Pressures to Cardiovascular Outcomes in the ALLHAT Study

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
October 2021
78
開始ページ
1671

背景

高血圧の心血管(CV)アウトカムに対するインパクトは、ターゲットリスクで異なる可能性がある。Stanford UniversityのChangらは、ALLHAT研究データ(n=33,357)に基づき、この問題を後向解析した。1次複合アウトカムは、初発MI・脳卒中・うっ血性心不全(CHF)もしくは全死因死亡のランダム化からの期間である(観察期間中央値4.4年)。

結論

CVアウトカムによりSBPとDBPのリスクパターンは異なった。1次複合アウトカム・全死因死亡・MI・CHFではSBPとDBPに対し同様なU字型関連がみられ、脳卒中での関連性はSBPに対してのみリニアであった。

評価

ターゲットリスクに対する降圧目標は異なる、という出現中の治療概念を支持し、脳卒中防止の観点からは厳格なSBP管理を提起する所見である。本解析はヒートマップによる至適血圧の可視化が特徴であるが、併存疾患や内服歴といった因子を加味していない、母集団が高リスク集団であるといった問題点もあり、降圧目標値の改変には前向解析を含めた追加解析が必要である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)