精神的ストレスによる心筋虚血のMI・心血管因死リスクを確認
Association of Mental Stress-Induced Myocardial Ischemia With Cardiovascular Events in Patients With Coronary Heart Disease
背景
心筋虚血における 精神的ストレスの重要性を示すエビデンスは多い。Emory Universityの Vaccarinoらは、安定冠性心疾患(CHD)患者918名を中央値5年間追跡する前向コホート2研究(MIPS・MIMS2)のデータに基づき、精神的ストレステスト(人前で話す課題)による虚血と従来型負荷試験(運動・薬理学的)による虚血の悪性帰結効果を比較した。一次アウトカムは、心血管死と初回/再発非致死性心筋梗塞の複合である。
結論
精神的ストレスの一次アウトカム効果を認めた(無精神的ストレス患者に対するaHR:2.5)。従来型ストレス虚血には有意な一次アウトカム効果を認めなかった。精神的ストレス虚血と従来型ストレス虚血の合併患者の一次アウトカムリスクは、従来型ストレス虚血のみ患者より高かった(aHR:2.7)。同様の効果は二次アウトカム(心不全入院)でも認められた。
評価
多く報告されてきた効果を、大規模患者における精神ストレス・従来型ストレス負荷試験の実行により確実なものにした。冠動脈硬化ベースのある患者での、精神的ストレスによる微小循環障害が起因する可能性がある。