要るのか要らないのか、EVTでのtPA「架橋」:MR CLEAN-NO IV
A Randomized Trial of Intravenous Alteplase before Endovascular Treatment for Stroke
背景
脳主幹動脈閉塞患者への血管内血栓除去(EVT)で、tPA前投与をスキップできるかどうかは重要な問題である。オランダ University of AmsterdamのLeCouffeら(MR CLEAN-NO IV )は、急性前方循環主幹動脈閉塞で発症後4.5時間以内でtPA投与可能患者539名をEVT単独とtPA+EVTに割り付けるRCTを行って、この問題を検証した。一次エンドポイントは、発症90日目におけるmRSである。
結論
一次エンドポイントにおいて、EVT単独はtPA+EVTに対し優越性も非劣性も示さなかった(調整共通オッズ比:0.84)。90日間死亡率・症候性頭蓋内出血発生率でも群間有意差はなかった。
評価
初期メタアナリシスはtPAの有益性を示したが、差がないというメタアナリシスとEVT単独が非劣性という中国RCTが現れ、日本のSKIP-RCTでは非劣性は証明できなかった。NEJMEditorialは、特にEVTのための転院搬送が常態である環境下ではtPA「架橋」は未だ必要であろう、としている。