要るのか要らないのか、EVTでのtPA「架橋」:MR CLEAN-NO IV
A Randomized Trial of Intravenous Alteplase before Endovascular Treatment for Stroke

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
November 2021
385
開始ページ
1833

背景

脳主幹動脈閉塞患者への血管内血栓除去(EVT)で、tPA前投与をスキップできるかどうかは重要な問題である。オランダ University of AmsterdamのLeCouffeら(MR CLEAN-NO IV )は、急性前方循環主幹動脈閉塞で発症後4.5時間以内でtPA投与可能患者539名をEVT単独とtPA+EVTに割り付けるRCTを行って、この問題を検証した。一次エンドポイントは、発症90日目におけるmRSである。

結論

一次エンドポイントにおいて、EVT単独はtPA+EVTに対し優越性も非劣性も示さなかった(調整共通オッズ比:0.84)。90日間死亡率・症候性頭蓋内出血発生率でも群間有意差はなかった。

評価

初期メタアナリシスはtPAの有益性を示したが、差がないというメタアナリシスとEVT単独が非劣性という中国RCTが現れ、日本のSKIP-RCTでは非劣性は証明できなかった。NEJMEditorialは、特にEVTのための転院搬送が常態である環境下ではtPA「架橋」は未だ必要であろう、としている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)