CAR-T療法の20%で心肺有害事象が発現、死亡率は30%
Adverse Cardiovascular and Pulmonary Events Associated With Chimeric Antigen Receptor T-Cell Therapy
背景
キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)治療では、ほぼ55%でサイトカイン放出症候群(CRS)が出現するが、心肺有害事象(CPAE)の報告も頻出している。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのShouvalらは、FDAの有害事象報告システムを使用してaxicabtagene-ciloleucelおよびtisagenlecleucelに関連するCPAEを特定・解析した。.
結論
2,657名のCAR-T治療患者の20.5%にCPAEを特定した。CPAEの68.3%はCRSと重複していた。CAR-Tは頻脈性不整脈(主にAF;adj.ROR : 2.78)・心筋症(adj.ROR:3.51)・胸膜障害(adj.ROR: 3.91)・心膜疾患(adj.ROR:2.26)の高オッズと関連した。静脈血栓塞栓症はaxicabtagene-ciloleucel療法とのみ関連した。CPAEの致死率は30.9%であった。
評価
この問題についての最初の本格的調査である。CRSとの重複が印象的だが、病態機構は複雑でオフターゲット効果である可能性が高く、また報告自体が十分でない可能性もある。