植込み型ループレコーダーはAF検出を増すが脳卒中リスクは減らさない:LOOP
Implantable loop recorder detection of atrial fibrillation to prevent stroke (The LOOP Study): a randomised controlled trial
背景
植込み型ループレコーダー(ILR)による心房細動(AF)スクリーニングは有益か。デンマークCopenhagen UniversityのSvendsenら(LOOP)は、非AFで、少なくとも1つの追加的脳卒中危険因子(高血圧・糖尿病・脳卒中既往・心不全)がある高齢者を対象として、この問題を検証するRCTを行った(n=6,004;対照:通常ケア)。ILR群では、AFエピソードが6分以上続いた場合抗凝固療法が推奨された。 一次アウトカムは、最初の脳卒中または全身性動脈塞栓症までの時間である。
結論
追跡期間中央値64.5ヵ月で、ILRのAF検出有効性が確認され(HR 3.17)、ILR群で経口抗凝固療法も多く導入されたが(HR 2.72)、一次アウトカムに有意差はなかった。大出血でも同様であった。
評価
LancetはAF検診の有益性をRCTで検証したSTROKESTOP結果を併載しているが、そこでは小さなベネフィットがあり、高齢者では考慮されうる、としている(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01637-8/fulltext)。論争的なテーマである。