大規模RCTでAF検診の有益性を示す: STROKESTOP
Clinical outcomes in systematic screening for atrial fibrillation (STROKESTOP): a multicentre, parallel group, unmasked, randomised controlled trial
背景
心房細動(AF)のスクリーニング検査は予後改善効果をもたらすか。スウェーデン Karolinska UniversityのSvennbergら(STROKESTOP)は、同国 HallandとStockholmにおける75〜76歳の全住民(n=28,768)を対象に、スクリーニング群 (n=14,387)と対照群(n=14,381)に無作為に割り付ける多施設RCTを行った。スクリーニング検査では、AF検出時に抗凝固療法開始、AF非検出時には携帯心電図計を装着し、1日2回測定を2週間行った。一次エンドポイントは、虚血性/出血性脳卒中・全身性塞栓症・要入院出血・全死因死亡の複合である(追跡期間中央値 6.9年)。
結論
スクリーニング群に一次エンドポイント効果を認めた(31.9% [5.45件/100年] vs. 33.0% [5.68件/100年]; HR: 0.96)。スクリーニング受診率は51.3%であった。
評価
AF検診がわずかではあるが、有効とした初めての大規模試験である。Lancet Editorialは、受診率向上によりさらに改善効果が期待でき、また非受診の影響も別のアプローチであるSAFER試験(https://www.safer.phpc.cam.ac.uk/)で明らかになると述べている。確定的なnet benefitが今後の解析で明らかになれば、実施も視野に入ってくる。