ポリピルは有用:最大のメタアナリシス
Fixed-dose combination therapies with and without aspirin for primary prevention of cardiovascular disease: an individual participant data meta-analysis
背景
心血管薬ポリピル(固定用量多剤併用)療法に関し多くのRCTが蓄積されているが、結論は。McMaster UniversityのJosephらは、3大RCT(TIPS-3・HOPE-3・PolyIran:n=18,162)の個別患者レベルメタアナリシスを行った。一次アウトカムは、心血管因死亡・心筋梗塞・脳卒中・血行再建術の初発までの時間である。
結論
追跡期間中央値5年で、ポリピル戦略の一次アウトカム有効性を認めた(HR: 0.62)。この効果は各個別アウトカムに亙った。アスピリンの有無によるサブ解析では、含アスピリン戦略でのより大きなリスク減を認めた。この治療効果は、脂質・血圧レベル、DM・喫煙・肥満の有無にかかわらず同様であった。消化管出血はまれであったが、含アスピリンポリピルでわずかに高頻度(非有意)であった。ポリピルではめまいが有意に多かった。
評価
個人化治療の対極に位置するポリピルだが、強い有用性エビデンスを示した。著者らは、特に途上国での有益性を強調している。アスピリンの一次予防使用に関し現在のガイドラインはやや消極的だが、ポリピル戦略では不可欠とみられる。